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成年後見Q&A

Q1:任意後見制度と法定後見制度とは何が違いますか?

A1:任意後見制度とは、元気なうちに将来の資産管理などについて信頼できる人と取り決めをしておくことが出来る制度です。法定後見制度とは、既に判断能力がない人や不十分な人について、家庭裁判所がその方の資産管理を任せる人を選任する制度です

Q2:成年後見制度は3段階あると聞きましたが違いは何ですか?その違いはどうやって決まりますか?

A2:成年後見制度には任意後見制度と法定後見制度があります。

お問い合わせの3段階というのは、法定後見制度の3類型についてのことでしょう。法定後見制度では本人の判断能力の程度により、3類型の申立てが出来ます。

補助類型:本人の判断能力が不十分な場合
例えば、最近物忘れがひどくなってきたかな、と自覚するときがある

保佐類型:本人の判断能力が特に不十分な場合
例えば、物忘れがひどいが本人に自覚がない

後見類型:本人の判断能力がまったくない場合
例えば、重度の認知症で常に介護が必要な状態である

この3類型の申立てのどれに該当するかは、医師による診断書で判断します。

Q3:成年後見制度を利用する際に費用はかかりますか?

A3:成年後見制度を利用する際には少々費用がかかります。

任意後見制度を利用する場合、任意後見契約書を公正証書で作成する必要がありますし、任意後見人(将来資産を管理してくれる人)との取り決めによって費用も変わってきます。

費用は大体3〜5万円ほどです。
法定後見制度を利用する場合、家庭裁判所への申立て費用が必要となります。
また、成年後見人(資産を管理してくれる人)に誰が選任されるかによっても費用がかかることがあります。費用は大体10〜15万円ほどです。

Q4:成年後見制度を利用していることを他人に知られることはありますか?

A4:成年後見制度を利用していることが、積極的に公にされることはありません。

しかしながら、任意後見契約を締結した人、家庭裁判所から成年後見人を選任された人は、法務局に登記をされることになります。

これにより、成年後見人などが法的に本人を代理することの証明書が発行され、取引の相手方との契約締結などがスムーズに行えることになります。
この証明書を取得できる人は親族などに限られますので、通常、他人が勝手に情報を得ることは出来ないようになっています。

Q5:成年後見制度を途中でやめることは出来ますか?

A5:任意後見制度では、任意後見契約が発行される前であればいつでも契約を解除することができます。

任意後見契約が発効した後では、自由に解除することは出来ません。
法定後見制度では、家庭裁判所の審判により後見が始まりますので、自由にとりやめることは出来ません。

Q6:認知症の父の老人ホーム入所を考えています。成年後見人が必要でしょうか?

A6:老人ホームの入所契約を締結することは、本人から委任された者や正当な資格のある者しか代理することは出来ません。

現在、お父様は既に自分で判断出来ない状態と思われますので、契約締結を誰かに委任することも無理と思われます。
お父様の任意後見契約の登記がなければ、法定後見制度を利用して成年後見人を選任してもらい、成年後見人に本人に代わって入所契約を締結してもらいます。
まず、お父様の認知症の症状を正しく理解するためにも、医師の診断を受けましょう。その結果を踏まえて、法定後見制度のどの類型で申立てをするか判断します。

Q7:母と同居している兄が、母の物忘れがひどくなったことをいいことに、母の年金を使い込んでいる様子です。何か対処法はありますか?

A7:まず、お母様の現在の状況を正しく把握する必要があります。

あなたとお母様は面会が出来ていますか。またお母様の健康状態などはいかがですか。 状況によっては、高齢者虐待として市区町村や地域包括支援センターなどへの通報が必要となります。
また、年金を使われてしまっているということから、お母様に代わり財産をしっかり管理する者が必要と思われます。

お母様の任意後見契約の登記がなければ、法定後見制度を利用して成年後見人を選任してもらった方がいいでしょう。
お母様の物忘れの症状によっては、申立ての類型も異なりますので、まず医師の診断を受けましょう。

Q8:同居している義母は物盗られ妄想がひどくなり、嫁の私が財布を盗った、などと騒ぎ立てます。実際は自分で仕舞っておいた場所を忘れてしまっているのですが、私もついイライラしてしまいます。成年後見制度を利用することで解決出来ますか?

A8:物盗られ妄想も認知症状のひとつである場合があります。認知症状であれば病気が原因ですので、本人を諌めても仕方ありません。ただ、成年後見人を選任してもらいお義母様の財産を管理してもらうことで、あなたへの疑いを回避することは可能かと思われます。成年後見制度を利用される際は、お義母様の症状を医師に診断してもらいましょう。

Q9:私は80歳を過ぎひとり暮らしです。最近は身体も思うように動かず、年金を引出しに銀行に行くのも一苦労です。親戚も遠方に自分と年が変わらない者が数人いる程度です。これからの生活が心配です。

A9:お身体は思うように動かないということですが、まだまだお考えはしっかりしていらっしゃるようですので、任意後見制度を利用されるといいかと思います。どなたか信頼のおける方と任意後見契約を結んでおき、今後自分の判断能力が衰えてしまったなら、任意後見人に財産管理などを代わりに行ってもらいます。また、今から生活の支援をしてもらいたいとお考えでしたら、任意後見契約と併せて任意代理契約を結んで支援を受ける方法もあります。

Q10:ひとり暮らしの叔母は、私以外に身寄りがなく、最近病院で認知症と診断されました。自宅に戻ってもひとり暮らしは難しく、私も叔母と同居して面倒を見ることが出来ません。後見開始の申立てをしようと思っていますが、後見人になってくれる人が見つかりません。申立ては出来ますか?

A10:叔母様は既に認知症と診断されていらっしゃるようですので、後見人候補者が見つからない場合でも申立ては出来ます。後見人候補者がいない申立ての場合は、家庭裁判所の職権で第三者が後見人に選任されます。第三者後見人には弁護士や社会福祉士といった専門家以外にも、最近は法人が選任さることも増えてきました。また、当事務所においても後見人引き受けなどについて、ご相談を承っております。

Q11:父は認知症で現在は老人ホームに入所しています。私は長男ですが、父の生活費用捻出のために父名義の土地を売却出来たらと考えています。そこで後見開始の申立てをしようとしたところ、妹から反対の意見が出ました。このままでは父の生活費用の捻出が出来ず困っています。家族が反対していると申立ては出来ないのでしょうか?

A11:結論から言いますと、家族の反対があっても申立ては出来ます。ただ、申立ての後、家庭裁判所での審理に時間が掛かってしまいます。妹様が反対されている理由は何でしょう。もし妹様がこれまでお父様の面倒を見てこられたという事情から反対されているようなら、後見人には妹様がなることで解決されるかと思います。関係者の中に申立てに反対の方がいる場合は、出来れば申立ての前に説得して同意を頂いたほうが審理がスムーズに進みます。また、成年後見人が本人の土地を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要となります。

Q12:一昨年祖母の後見開始申立てをして、同居していた伯父が成年後見人に就任しました。伯父は祖母のお金で株式を運用してつい最近損失を出したようです。「祖母のためにしたことだから」と言ってお金を返す様子もありません。伯父が今後また同じようなことをするのではないかと心配です。成年後見人であればこのようなことをしても問題ないのでしょうか?

A12:成年後見人は本人の財産管理を任されていますが、これは「元本が保証されたものなど安全確実な方法で行うこと」が基本とされ、投機的な運用をすることには問題があります。伯父様は損失を弁済するべきでしょう。また、今後も伯父様が同じようなことを繰り返し、お祖母様に不利益を与えるようであれば、家庭裁判所に成年後見人の解任の申立てをすることも出来ます。

Q13:兄の成年後見人に就任して数年になりますが、この度父が亡くなり遺産分割協議をする必要ができました。私が兄の成年後見人として協議することは出来ないと聞きましたが、どのように対応すればいいでしょうか?

A13:ご相談のように、本人と成年後見人がいずれも相続人となり遺産分割協議をするような場合は、本人と成年後見人との間で利益相反の関係が生じます。このため成年後見人は、家庭裁判所へ特別代理人選任の申立てをする必要があります。お兄様のために特別代理人選任の申立てをなさってください。

Q14:叔母が祖父の成年後見人になっていますが、祖父の用事をする度にその都度祖父の口座から自分の日当としてお金を引き出しています。問題ないのでしょうか?

A14:成年後見人は業務に要した費用実費分については、本人の資産から精算することが出来ます。しかし、叔母様が実費以外に「日当」として都度精算していることには問題があります。成年後見人はその業務に対して本人から報酬をいただくことが出来ますが、これは家庭裁判所へ報酬付与の申立てをし許可を得なければなりません。また、報酬の額も家庭裁判所が決定します。叔母様はこれまで受け取った「日当」全額を返済すべきでしょう。

Q15:母の後見開始の申立てを考えています。成年後見人には自分が就任したいと思いますが、あまり法律に詳しくありません。成年後見人に就任できるでしょうか?

A15:お母様の成年後見人としてあなたが就任することは問題ありません。法律などに詳しくないということで自分だけで成年後見人になることが心配なようでしたら、自分のほかにも専門家などを成年後見人に選任してもらうよう申立てをすることも出来ます。また、成年後見人には自分が就任し、別に成年後見監督人として専門家を選任してもらうよう申立てをすることも可能です。ひとつご承知おきいただきたいのは、必ずしも申立てで希望した候補者が成年後見人に選任されるとは限らないということです。成年後見人は、家庭裁判所がもっとも適任と思われる者を選任します。